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緑内障
緑内障とは 図1
眼の中では、房水という栄養を運ぶ透明な液体が常に作られ、循環し、そして排出され ることによって、眼の一定の硬さ=眼球の正常な圧力(眼圧)が保たれています。緑内障は、房水が眼球から排水されにくい状態や排水されない状態になり、目の中の圧力 (眼圧)が上がって、神経が障害されて目の機能が落ちる病気です(図1)。放っておくと、見える範囲が狭くなったり(視野欠損)、視力が落ちたりして、失明してしまうこともあります。また、眼圧は正常といわれる範囲なのに同じ様な症状が起きる場合もあります。このような症状は視神経の障害によって生じます。日本では40歳以上の30 人に1人、約200万人が緑内障、けれど治療を受けている人は、そのうちわずか20%といわれています。緑内障があるのにもかかわらず、これに気付かずに過ごしている人が大勢いるのです。最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、失明に至る確率はかなり減少しました。緑内障で出現した視神経の障害はどんな治療をしても治ることはありません。つまり、一旦生じた視野障害は元に戻ることはありません。ですから現在の治療の目標は、残念ながら治すことではなくて進行を遅らせる、ないしは進行を止めることになります。そのため、早期発見・早期治療がたいへん重要です。早く発見し、治療を開始することが、失明への可能性を減らす早道です。
緑内障の種類
房水の排出路の部位(隅角)がどのような状態であるかで大きく2つに分けます。
それぞれの治療方針が違うのでこの区別は重要です。

1、排出路が狭くなっていたり、塞がっている場合=閉塞隅角緑内障
2、排出路は広いが目詰まりのような状態で流れが悪い場合=開放隅角緑内障
また、急激に眼圧が上がった場合を急性、その他を慢性と分けます。
原発開放隈角緑内障
房水の出口である隅角にある線維柱帯が徐々に目詰まりを起こし(図2)、うまく房水が排出されないために、 眼圧が上昇します。ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。通常、視野障害がかなり進行しないと自覚症状はありません。
正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10〜21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障のひとつの形です。視神経の血液循環が悪いことも原因に関係しているのではないかと考えられています。
原発閉塞隈角緑内障
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(図3)、眼圧が上昇します。急性のものは、急激な眼圧上昇を来すこともあります。急激に眼圧が上昇すると、眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐を生じ、胃腸の病気や脳腫瘍と間違われることも少なくありません。出来るだけ早く眼圧を下げる治療をしないと、3〜4日で失明する場合もあり、初期の診断と治療が非常に重要です。
先天緑内障
生まれつき隅角に異常のある緑内障です。生れた直後から眼圧が高い場合、眼球そのものが大きくなることもあります。痛みなどの自覚症状はありません。
続発緑内障
外傷、角膜の病気、網膜剥離、目の炎症など、他の目の疾患や、全身的な病気が原因の眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によって起こる緑内障です。
図2,3
症状
ゆっくりと進行するタイプではほとんどの場合自覚症状はありません。頭重感や眼精疲労として感じられていることもあります。実際には見える範囲(視野)が狭くなる症状が最も一般的ですが、初期は視野障害があっても通常全く自覚されません。視神経の障害は、非常にゆっくりとおこり、視野も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じにくいのです。気がついた時にはかなり進行しているという場合が少なくありません。一方、急激に眼圧が上昇した場合は眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気を自覚することもあります。
検査
緑内障は多くの検査が必要です。総合的に診断します。
1)眼圧検査
器械で眼の硬さを測ります。まったく痛みはありません。眼圧が高いからといって必ずしも緑内障とはいえません。眼圧は時間により、また季節により異なることがわかっています。
2)隈角検査
主に緑内障の種類を診断するために行う検査で、専用の眼に触れるレンズを用いて行います。
3)眼底検査
視神経の障害の程度を判定するために行う検査です。視神経の眼球からの出口(視神経乳頭)には、小さなくぼみがありますが、緑内障ではこのくぼみが拡大します。実際、眼底検査で視神経の異常が発見され、緑内障が見つかることが最も頻度が高いのです。緑内障以外でも拡大することがあるので、この症状があるというだけで緑内障とは診断できません。
4)視野検査
見える範囲と、光に対する感度を調べる検査です。緑内障では視神経が障害され、進行すると光に対する感度が低下し、視野が障害されます。緑内障の診断を下す上でも、進行具合を判断するためにも、最も重要な検査です。

*当院では、随時、眼圧、眼底、視野検査を行っております。視野検査はきわめて初期から見つけられるコンピ ューター制御の検査、スクリーニングのための短時間の検査、進行した場合の広い範囲にわたって調べる検査など視野検査機器を備えております。自覚症状がなくとも、親戚縁者で緑内障の方がいる、または、緑内障が心配だという方は、お気軽にご相談ください。幸い、痛い・つらい検査はありません。
治療
治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果があるわけではありません。緑内障のタイプやそれぞれの人に適した治療を行うことがとても重要です。
1.薬物療法
ほとんどの緑内障で、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬があります。 緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。複数の目薬を組み合わせて処方されることもあります。毎日きちんとさすことが大切です。また、眼圧を強力に下げる点滴注射と内服薬がありますが、どちらも全身的な副作用があり、緊急避難的に短期使用をする以外、長期に使用することはできません。
2.レーザー治療
レーザー治療には主に二つの方法があります。ひとつは、虹彩(いわゆる茶目)にレーザーで孔を開けて、眼内の房水の通り道をつくります。多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。もうひとつは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果があります。 レーザー治療は痛みもなく、外来で行うことができます。
3.手術
薬物療法やレーザー治療の効果がなかった場合の最終的な手段です。大まかには、房水を眼の外に通りやすくするような小さな通り道を作る手術です。ただし、薬物療法に比べて安全性も確実性も低いので、手術後のこまめな手当てが必要です。
4.経過観察
眼圧は、加齢、季節、時間などで変化します。目の状態も時間とともに変化します。そのため、緑内障では早期 発見、早期治療とともに治療が十分であるかどうかを確認するために、定期的な経過観察−すなわち最低月に1 回の眼圧測定、3〜6ヶ月に1回の視野検査が必要です。

*当院では、どちらのタイプのレーザー治療も行っています。レーザーの後遺症の少ないNd−YAGレーザーによる治療も実施しています。また、急性型の緑内障にも対処できる点滴注射も常備しています。 緑内障の検査には難しい苦しい検査はありません。現在では有効な点眼も多く開発されています。ちょっと心配 だったり、40歳以上であれば年に1回は緑内障の検査を受けることをお勧めします。
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